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火の国の城 [本]

110309.JPG池波正太郎
文藝春秋
1988年1月30日第1刷


どうして池波正太郎が著する時代小説は人を惹き付けるのだろう。
TV放送で人気の「鬼平犯科帳」「剣客商売」、以前読んだ「真田太平記」(NHK大河ドラマ)
など物語に惹き込む魅力がある。それは、時代・人物描写、それと物語の展開に長けて
いるのだろう。


今回読んだ「火の国の城」もまさしく池波正太郎の世界を表現しているように思えた。
関ヶ原後の京、大坂を見物に来た丹波大介。この物語の主人公である。
関ヶ原の合戦で討死したと思われた男である。元甲賀の忍びだが関ヶ原前後の忍び
働きで甲賀の仲間たちを裏切り、今は忍びから足を洗い丹波の里で暮らしていた。
その丹波大介が京の都で出会った真田忍びから再び忍びとして働くことを決意する。
肥後の大名、加藤清正のために。


時代は関ヶ原後の平穏な頃。そんな時になぜ忍び働きを決意したのか。
大坂(豊臣)と関東(徳川)の戦をなんとか阻止したい清正。その清正の命を受けて
活躍する大介とその仲間たち。
しかし、大介は甲賀を裏切ったことから命を狙われる。その描写は息をもつかせぬものだ。
また、生き別れになってしまった妻への愛情、最後に再会するところまできたのに
そこには敵の罠が仕掛けられていた。


一度は豊臣秀頼が徳川家康の居る京へ上洛することにより清正と大介の想いは
成し遂げられる。しかし、清正が毒殺されたことによって大坂冬の陣、夏の陣へと
突き進んでしまった。


もし、清正が生きていれば時代は変わっていたかもしれない。
そう思わせる小説である。

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コメント 2

しゃあ あずなぶる

びんちゃん。
書評家みたいですね。かっこいい。
読みたくなる感じ。

オレ、最近本読んでないな。
by しゃあ あずなぶる (2011-03-10 06:12) 

びんちゃん

◆しゃあさん

ありがとうございます。
感想文のつもりで記しのですが ・・・。

> 読みたくなる感じ。

最高の誉め言葉かもしれませんね。

ぜひ読んでみて下さい。

by びんちゃん (2011-03-10 19:00) 

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