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ずんが島漂流記 [本]

110323.JPG椎名誠
文藝春秋
1999年1月10日第1刷


オバカなエッセイを書くことが多い(失礼)椎名誠の冒険小説。


椎名誠の祖父の少年時代の話を元に書いたと記されているが真実のところは・・・。


ボルネオ近くの南に島(コンデロッテ島(朝のいびき島))に住む4人の少年少女(1人は椎名誠の祖父)が1艘のカヌーを操り、嵐に遭いながらも無人の島「ずんが島」(ヌバ・ホマ)にたどり着く。その島には人マネをする巨鳥「ぽうぽう」やシーナ的表現の植物や虫たちがいた。

4人はそれぞれの特技を生かしその島で生活していく。

魚を獲ったり木の実を食したり、漂流物からカヌーを直すための材などを集めながら過ごす。やがて島の湧水が枯れかかっていることを知った4人は「ずんが島」から出ていくことを決意。
カヌーを直し、水・食糧を確保していざ出発。


順調な航海をしながらある島を発見する。しかし、その島「マキラ・アフ」(おばあさんのおなら島)は有人島でその島の船団に囲まれてしまう。その船には「サカナ人間」?が乗船していた。4人が乗ったカヌーはサカナ人間たちの島の浜に向かう。すると今度は「トリ人間」?が上空を舞っていた・・・。そして「歩くサカナ」?とは。


椎名誠ワールドが展開される楽しい小説でした。

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火の国の城 [本]

110309.JPG池波正太郎
文藝春秋
1988年1月30日第1刷


どうして池波正太郎が著する時代小説は人を惹き付けるのだろう。
TV放送で人気の「鬼平犯科帳」「剣客商売」、以前読んだ「真田太平記」(NHK大河ドラマ)
など物語に惹き込む魅力がある。それは、時代・人物描写、それと物語の展開に長けて
いるのだろう。


今回読んだ「火の国の城」もまさしく池波正太郎の世界を表現しているように思えた。
関ヶ原後の京、大坂を見物に来た丹波大介。この物語の主人公である。
関ヶ原の合戦で討死したと思われた男である。元甲賀の忍びだが関ヶ原前後の忍び
働きで甲賀の仲間たちを裏切り、今は忍びから足を洗い丹波の里で暮らしていた。
その丹波大介が京の都で出会った真田忍びから再び忍びとして働くことを決意する。
肥後の大名、加藤清正のために。


時代は関ヶ原後の平穏な頃。そんな時になぜ忍び働きを決意したのか。
大坂(豊臣)と関東(徳川)の戦をなんとか阻止したい清正。その清正の命を受けて
活躍する大介とその仲間たち。
しかし、大介は甲賀を裏切ったことから命を狙われる。その描写は息をもつかせぬものだ。
また、生き別れになってしまった妻への愛情、最後に再会するところまできたのに
そこには敵の罠が仕掛けられていた。


一度は豊臣秀頼が徳川家康の居る京へ上洛することにより清正と大介の想いは
成し遂げられる。しかし、清正が毒殺されたことによって大坂冬の陣、夏の陣へと
突き進んでしまった。


もし、清正が生きていれば時代は変わっていたかもしれない。
そう思わせる小説である。

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